2023クロオオアリ飼育日記 Part2. 石膏巣の制作

2023クロオオアリ飼育日記 Part2. 石膏巣の制作

前回のパートではクロオオアリが産卵し、最初の幼虫が蛹になりました。今回は働きアリが誕生した後の引っ越し先の巣を作っていきます。アリは巣の規模が大きくなると用途によって部屋を使い分けるため、あらかじめ複数の部屋を用意してあげることで本来の生態が観察できます。今回作る巣は石膏を彫っていくつもの部屋を作り、部屋どうしを迷路のような通路で結んだ立体型の石膏巣です。

Part1はこちら↓

設計図

地下にあたる部分は石膏で作り、部屋を彫刻刀で彫っていきます。将来的に巣が拡大することを考えて石膏巣を二つ作りチューブで連絡通路を作る計画です。地上にあたる部分は石膏部分の出入り口と一致するように容器の底に穴を開けて、アリが出入りできるようにします。

必要なもの

1. アクリルケース

石膏巣の部分とエサ場の部分は透明なアクリルケースを使用します。今回は百均で購入しました。石膏巣には蓋のないペン立てを使用し、エサ場には蓋付きのペンケースを使用することにしました。

石膏を固めてアクリルケースの型をとり、一旦取り出してから彫るのですが、型を取るのに使用したアクリルケースは石膏がこびりついて白くなったり、細かい傷がついてしまうので、最終的に彫った石膏を入れるケースは別に用意します。したがって石膏部分は同じアクリルケースを余分に用意する必要があります。

2. 石膏

粉の状態で販売されていて、水で溶かして使用します。固まった後は保水性に優れたアリの住処となります。飼育下では石膏が土の代わりとなり、土を用いた飼育方法よりも清潔に長期間巣を保つことができます。

作り方

1. 石膏を水で溶かし、アクリルケースに流し込む

石膏の説明書や袋に記載されている割合で加水し、混ぜます。ドロドロになったら石膏巣の部分になる予定のアクリルケースに流し込みます。この状態で固まるのを待ちますが、20〜30分ほど要します。この時間も石膏の説明書に従うのが無難でしょう。

2. アクリルケースから固まった石膏を取り出す

アクリルケースから石膏を取り出しますが、この作業に思ったより苦戦しました。ケースを逆さまにしてトントンする程度ではびくともしないので、場合によってはケースを割ったりする必要があるかもしれません。

今回は何とか隙間にへらを入れて取り出せましたが、アクリルケースが傷だらけになりました。やはり型をとるアクリルケースは巣として使用するものと別で用意したほうがよさそうです。

3. 鉛筆で下書きを描き、彫刻刀で彫る

部屋と通路を予め鉛筆で描き、その線を目安に彫っていきます。今回は360°部屋と通路が一周するようにぐるっと彫りました。部屋はある程度深めに彫ることを意識し、アリの卵や蛹が置けるくらいの平らなスペースを作りました。地上につながる通路を忘れずに作って完成です。

4. 彫った石膏をアクリルケースに入れる、エサ場を取り付ける

型をとったアクリルケースと同じ大きさ形のケースを新たに用意し、彫った石膏を入れて地下部分は完成です。エサ場は接着剤でアクリルの部分どうしを接着し、巣の出入り口と一致するようにエサ場の底に穴を開けました。巣は2つともエサ場につながっていますが、巣の中でも行き来ができるようにチューブで連絡通路を作りました。これで石膏巣の制作は終了です。後は出入り口や予め開けておいた穴からスポイトなどで給水すればすぐに使用できます。

次回予告

次回のパートでは今回製作した石膏巣に実際にクロオオアリを入れていきます。もうすでに働きアリは誕生しており引っ越しも済んでいるので、もう少し観察して進展があったらPart3を執筆して公開します!

クロオオアリ飼育日記カテゴリの最新記事