ADA製品が高すぎる

ADA製品が高すぎる

今回はADA(アクアデザインアマノ)製品の価格設定について正直な感想を書きたいと思います。あくまで個人の意見として読んでいただければ幸いです。

いろいろ思うことはありますが、ADAはお洒落かつ信頼性のある国産ブランドなのでこれからも魅力的な製品を作ってほしいと思う一方、消費者の立場としては他の安価な製品で代替するのも視野に入れるべきだと思っています。ということで今回は特定のメーカーを贔屓せずフラットな視点で考えていきたいと思います!

値段は高いが質も高い

アクアリストにはお馴染みのブランドADA。業界の草分け的な存在であり、買ったことがない人にも名前が知れ渡っていますね。そんなADA製品は昔からかなり高めの値段設定で有名です。「高いけど物はいい」「ぼったくりだ」など人によって感じ方はさまざまだと思いますが、筆者はADA製品の質の高さと無駄のないデザインが気に入っていて、何年もの間最も好きなアクアリウムブランドでした。

あえて過去形で書きましたが、具体的にはアクアスカイGが廃盤になるまでADAは間違いなく大好きなブランドでした。しかし、アクアスカイの後継機種として発売したアクアスカイRGB、ソルスタンドRGBの価格を見てからはADA離れが(少なくとも照明器具に関しては)始まったように感じます。

さらなる高級化傾向

アクアスカイRGB

60cm用のアクアスカイGは1灯タイプが19,000円、2灯タイプが35,000円でした。一方後継機種のアクアスカイRGBは44,000円、さらに2023年7月に発表されたアクアスカイRGBII60の価格はなんと60,500円です。もちろんLEDの質が上がりより水草の色が鮮やかに演出できるようになった点、専用アプリで制御できるようになった点など新製品の長所はたくさんあります。ですが60cmという中型サイズの水槽システムの一部である照明器具に6万円は流石に高すぎるというのが正直な感想です。一般的なアクアリウムで6万円あれば水槽やフィルター、CO2など必要な器具を、全てではないにしてもある程度揃えることはできます。しかし、現在のアクアスカイは1台購入するだけで6万円というかなりの高級品になってしまったという印象です。

ソルスタンドRGB

小型水槽用のアクアスカイGは幅30cm用が12,000円、幅36cm用が12,500円という価格設定でした。一方でこれらの後継機種として発売したDOOAソルスタンドRGBは34,100円です。白色LEDとRGBライトでの単純比較はできませんが、「ADA製の小型水槽用ライト」という括りで比較すると約2.8倍の値上げとなります。

初めてアクアリウムを始める人は小型水槽を選ぶ傾向があるため、手軽に購入できる価格帯のライトは残しておいた方が新規のお客さんを獲得できたのではないかと思いますが、ADAの方針では高級志向がターゲットでも利益が出る見込みなのでしょう。個人的にアクアスカイの廃盤はかなり悲しいですが仕方ないですね。

キューブガーデン

ADAを代表する商品であるキューブガーデンはオールガラス水槽で、透明度の高さとシリコンの少なさが評価されています。このシリーズは過去に何度か値上げされていて、現在では発売当初の価格よりもかなり高価です。しかし、キューブガーデンに関しては業界で最も高い品質を保っていて、原材料や輸送燃料費の高騰を踏まえると妥当な価格設定だと思います。キューブガーデンはかろうじて許容できる価格を維持している印象ですがこれ以上の値上げがないことを祈ります…

小括

ここまでのお話を踏まえると、最近のADAの高級化傾向は主に新製品で顕著に見られるといえます。特にDOOAのパルダリウムなどはなかなか手の届きにくい価格ですよね。新製品には開発費がかかっているためある程度仕方のないことではありますが、だからといって好評だったアクアスカイGを廃盤にして2倍以上の価格で後継機種を発売するというのは残念ですね。アクアリウム機材を一式揃える際の合計のコストがかなり高くなってしまうので今後はADA以外の照明器具も視野に入れていこうと思います。

ADA以外の小型水槽の照明は最近ではONF Flat Nano という商品がお気に入りです。9,800円という価格でかなりスタイリッシュなライトです。明るさや水草の成長も申し分ないライトだと思います。

またキューブガーデンに関してはやはり質の高さが業界では随一なのでこれからも購入しようと思います。とはいえかなりの高級品ですので今後は他メーカーの水槽とも併せて検討しようと思います。

・新製品で高級化の傾向

・特にRGBライトは従来の倍以上の価格

・現在のラインナップには小型水槽の手頃な照明器具はなし

・キューブガーデンはかろうじて品質に見合った価格

現在のADA製品は価格に見合っているか

筆者がADA製品を愛用していた期間は長いですが、思い返してみれば2015〜2018年頃のADAが一番好きでした。先代社長の天野尚氏が生前完成させた理想のネイチャーアクアリウムから新体制で発売した製品(ソーラーRGB、ネオグラス・テラ等)に移行する過渡期であり、新旧それぞれの良さが混ざり合っていた時代だったと思います。特にキューブガーデン、アクアスカイG、ソーラー1、スーパージェットフィルター、リリィパイプ、パレングラスなどを組み合わせた、ガラスの透明と金属の銀色という絶妙な組み合わせが洗練されており、部屋に置いたときに唯一無二の存在感を放っていました。

特にアクアスカイGの直線的なデザインは水槽の中の自然との対比という意味でとても秀逸なデザインだったと思います。また、吊り下げ式のソーラー1も丸みを帯びていながら最大限シンプルなデザインだったと思います。

一方で、比較的最近発売されたアクアスカイRGBやメタルキャビネットは曲線こそないものの突起や角が多くてやや主張が強い印象です。実際に店頭で見た際ももとのシンプルさが失われているような印象を受けました。一ユーザー目線ではありますが、どれだけ性能が高くても、デザイン製が向上したとは言えない(むしろ下がった)新製品に倍以上の値段をつけて売られても欲しいとは思いませんでした。

2022年の価格改定

昔から値段設定が高めのADAですが、2022年に価格改定(値上げ)を発表しました。

ADAは値上げの理由を「昨今の経済情勢及び諸般の事情」としています。「諸般の事情」が何かはわかりませんが、経済情勢の影響はADAに限らず世界の産業全体が影響を受けているので仕方のないことだと思います。

とはいえ今回の値上げが筆者のADA離れを加速させるのは確実です…

https://www.adana.co.jp/jp/release/detail?id=1097

ADA以外でおすすめの製品

照明:ONF Flat Nano

現状ADA製の小型水槽用ライトはソルスタンドRGBのみであり、価格は34,100円です。ONF Flat Nanoという商品は台湾のブランドが販売しているアクアリウム専用ライトで、価格が低いことに加えソルスタンドよりもシンプルで洗練されたデザインとなっています。詳しいレビューは過去の記事をご覧ください↓

フィルター:エーハイムクラシックフィルターシリーズ

外部フィルターの定番機種、エーハイムクラシックフィルターです。古くから多くのアクアリストに選ばれており、性能の高さには定評があります。個人的に一番好きな点は音がしない点です。本当に驚くほど静かで、その強い水流からは想像できない静音設計になっています。

まとめ

何年も前からネット上にはADAの価格設定が高すぎるという批判的な意見が見受けられました。それでも筆者は値段に相応の質の高さとデザイン性があると感じ購入していました。しかし、昨今の新製品はピンとくるものが少なく、ほとんど購入していません。それまで価格の高さと製品の質の高さが釣り合っていたと感じていたのが、ここ最近の新製品ではそのバランスが崩れ、「価格に見合ったものではない」と感じるようになったのが原因だと思います。せめて過去のヒット商品を残していれば廉価モデルとハイエンドモデルという選択の余地があったと思いますが、現時点ではそのような方針は示されていません。2017年までADAが展開していた廉価ブランドDo! Aquaのような選択肢があれば良いと思うのですが…

とはいえADAのアクアリウム業界での功績は大きく、その理念は素晴らしいと思っています。規模が拡大するにつれてすべてのユーザーが満足する商品を作るのは難しいと思いますが、これからも魅力的なアクアリウム製品を作り、「天下のADA」の座を守って欲しいですね。

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